
筆者は長い間、うつ病で食欲が落ち、鏡に映る自分の痩せ細った姿にため息をついていました。
体重は50kg台前半、BMIも19を下回り、服を着ても「やせすぎている」と周りに気づかれるほど。
そんな自分に嫌気がさしていましたが、ある日「筋トレが心と体に良い」という記事を見かけたのが転機でした。
少しでも前向きになれるなら…と半信半疑で始めたのが、体型改善と心の回復のきっかけになりました。
筆者は、元・病院の管理栄養士。
専門知識を交えながら、実体験ベースで「うつ病でガリガリに悩んでいる人」に向けた工夫をお伝えします。
実際にこの記事で紹介する点を1年ほど意識した結果、私は体重を62kgまで増やせました。
今では上半身を見られても恥ずかしくないくらいの体つきになり、自信につながっています。
ただ、ひとつだけ気をつけてほしいことがあります。
この記事の内容を試す前に、一度病院を受診し、「体重が増えず、悩んでいます」と相談してみてください。
体重がなかなか増えない背景には、エネルギーを消費しやすい病気や、栄養の吸収がうまくいかない病気、または心の不調が関係している場合もあります。
たとえば、甲状腺機能亢進症(内分泌系)や胃腸の病気(消化器系)、がん、摂食障害などです。
どの科に行けばよいか迷う方は、内科で相談してみてください。
全身を見てもらうことができ、必要に応じて専門科を紹介してもらえます。
この記事は、そうした病気の疑いがない方のうち、
「食べられるけど痩せてしまう」
「筋肉がつかない」
「自分を少しでも変えたい」
という方に向けて書いています。あらかじめご了承ください。
- 筋トレを始めたきっかけ
- うつ病とガリガリ体型の関係
- セロトニン不足とうつ症状の関係
- 休息方法の確立(睡眠を最優先に)
- トレーニング内容:パーソナルジムは必須ではない
- 脱・ガリガリのために私が食事で意識したポイント
- 成果を客観視する習慣
- 結び
筋トレを始めたきっかけ
僕が筋トレを始めたのは、ガリガリ体型にずっと悩んでいたからです。
うつ病が長引き、食欲が落ち、気づけば体重は55kg前後(身長は170cm)。
「ただでさえうつ病で自信が持てないのに、この体型まで…」と自己否定が強まり、人と会うのも避けがちに。
そんなとき偶然目にしたのが「筋トレはうつ病の改善にもつながる」という記事でした。
最初は「本当かな?」と疑っていましたが、心のどこかで「もし少しでも変われたら…」という気持ちもありました。
最初は腕立て伏せを数回やる程度。それでも「今日は動けた」という小さな達成感があり、それがうつ病の僕には大きな希望でした。
しかし1年以上続けても体重も筋肉もあまりつかない状態に。
そこで一念発起してパーソナルビムへ行き、そこで得たアドバイスをもとにやり直したところ、増量できました。
▷筋トレの成果(上半身の写真)を見る(クリックで表示)

うつ病とガリガリ体型の関係
ここで、なぜうつ病だとガリガリ体型になりやすいのかを整理しておきます。
自律神経の乱れ → 食欲不振、消化不良
うつ病では自律神経のバランスが崩れ、胃腸の働きが低下しやすくなります。
その結果
「食べても吸収されない」
「すぐに下してしまう」
といったことが起こりやすいのです。
筋肉づくりに必要な栄養が不足しやすい
食べても栄養が吸収されにくければ、筋肥大に必要なタンパク質やエネルギーが体に回りません。
結果として「筋トレしても成果が出にくい」状態になります。
セロトニン不足とうつ症状の関係
うつ病では「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが不足しがちです。
セロトニンそのものは筋肥大には直接関係しませんが、筋トレによって分泌が促されるため、抑うつ気分の改善に役立ちます。
セロトニンを作るには、アミノ酸のトリプトファンやビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムが必要です。
しかし消化不良や偏った食事が続くと、これらが不足し、筋トレの精神的メリットも十分に得られないことがあります。
対策はこのあとの章で具体的に解説していきます。
休息方法の確立(睡眠を最優先に)
筋トレや栄養改善よりも、まず最優先したのは「休息」でした。
なぜなら、睡眠が乱れていると筋肉は成長しないどころか、心身の負担で逆効果になってしまうからです。
僕が取り入れたのは、シンプルですが効果のあった習慣です。
✅️寝る90分前に15分の入浴
ぬるめのお湯で体を温めると、深部体温が自然に下がりやすくなり、入眠しやすくなります。
✅️音楽や読書でリラックス
お気に入りのジャズや小説を取り入れ、「眠れなければ横になるだけでもOK」と気持ちをゆるめました。
✅️スマホ・PCは避ける
光刺激で眠気が飛ぶので、夜はなるべく音楽鑑賞や読書をするようにしました。
このルーティンを守るようにしてから、少しずつ眠れるようになり、体調も安定してきました。
「よし、筋トレに挑戦してみよう」と思えたのも、この休息の土台が整ってからです。
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トレーニング内容:パーソナルジムは必須ではない
私は最初、自重トレーニング(器具を使わず自分の体重を負荷にする運動)から始めました。
しかし当時は知識が乏しく、1年ほど取り組んでも大きな成果は感じられませんでした。
そこで一念発起してパーソナルジムに通い始めたのですが、今振り返ると「パーソナルジムは必須ではない」と感じています。
なぜなら、うつ病改善やガリガリからの脱出に大切なのは「基礎的な運動習慣」と「腸環境の改善」※だからです。
※こちらは次の章で解説します
もちろん、ボディビルダーのように筋肉を大きくしたい場合はジム通いがほぼ必須になります。
ですが、海水浴場などで上半身を見られても恥ずかしくない程度の体型であれば、自重トレーニングだけでも十分に変化を感じられます。
さらにうつ病の改善に限れば、スクワットだけでも十分に効果があります。
私自身、スクワットを通じて睡眠が深くなり、気分の落ち込みが和らぐ実感を得られました。
ここでは、初心者でも自宅で気軽にできるおすすめの自重トレーニングを3つ紹介します。
ブルガリアンスクワット
片脚を椅子やベッドの縁にのせ、もう一方の脚でスクワットを行います。
下半身と体幹を同時に鍛えられる効率的な種目です。
バランスはとりづらいですが、少ない回数でも効果は抜群です。
腕立て伏せ
胸・肩・腕など上半身をまんべんなく鍛えられる種目です。
ポイントは「胸を張りながら、頭からかかとまで一直線を意識する」こと。
正しいフォームを意識すると少ない回数でも効果を実感できます。
動画ではバリエーションも紹介していますが、慣れないうちは、実際に試してやりやすいもののみに絞るほうが続けやすくおすすめです。
プランク
👉 参考動画はこちら
動画では姿勢を一定に保つキープ種目もありますが、つらいと感じる方は飛ばすことをおすすめします。
私はこれら3種目を週3回から始め、現在は週2で行っていますが、無理のない回数から始め、継続することを大事にしてみてください。
脱・ガリガリのために私が食事で意識したポイント
私は元・病院の管理栄養士として働いた経験があります。
だからこそ、筋トレと食事をどう組み合わせれば「ガリガリから脱出できるか」を実感として伝えられると思っています。
実際に私の体重は、筋トレと食事の工夫を組み合わせることで 55kgから60kg台へ と増えました。その中で特に役立った工夫を紹介します。
整腸剤で「吸収力」をサポート
栄養を摂ってもお腹を壊してしまい、体重がなかなか増えない…。
そんなときは「腸が弱っているせいで栄養が吸収されていない」可能性があります。
私はトレーナーに勧められて整腸剤を飲み始めたところ、体重が増えやすくなりました。
マルチビタミンで回復力アップ
タンパク質の吸収や代謝を助けるビタミンは、体作りには欠かせません。
私は夕食後に基本1粒、筋トレ翌日は朝食後にも追加して飲むことで、疲労感が軽減されました。
※「整腸剤とマルチビタミンを両方買うのはちょっと高いな…」という方には、こちらのサプリも選択肢になります。
ビタミンA・D・Eは含まれていないものの、整腸作用と基本的な栄養補給を一度にまかなえて、価格も手ごろで試しやすいです。
プロテイン摂取の注意点
私は以下の2回に分けて摂取しています。
📌筋トレ後1時間以内
📌寝る1時間前
夜は時間を空けて飲むことで、夜中のトイレに起きる回数を減らすようにします。
ちなみに、私は1回あたり約30gのプロテインを摂っています。
ただ、人によっては摂取後にすぐトイレに行きたくなってしまうことがあります。
その場合は、1回の量を減らすか、摂取する回数を減らして調整してみてください。
また、プロテインを飲んだ直後に横になると消化不良を起こしやすいため、少なくとも30分ほどは座って過ごすなど、お腹に負担のかからない姿勢でいることをおすすめします。
また、私は筋トレ後、プロテインと一緒にバナナを摂るようにしています。
以前お伝えしたように、セロトニンを作るためにはアミノ酸のトリプトファンやビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムが必要です。
バナナにはこれらがすべて豊富に含まれているため、筋トレによる抑うつ気分の改善効果をさらに高めてくれることが期待できます。
筋肥大に役立つ食品
タンパク質は肉や魚に多く含まれていますが、調理方法によっては脂質も増えてしまいます。
脂質が増えると、筋肉よりも体脂肪がつきやすくなるリスクや、腸内の悪玉菌が増え、栄養の吸収効率を落とすリスクがあります。
そこで私は、脂質を抑えつつタンパク質をしっかり摂れる食品を意識的に選ぶようにしました。例えば以下のような食品です。
✅鶏むね肉
低脂質・高タンパク・安価
✅卵
手軽な高栄養食品
✅納豆・ヨーグルト
腸内環境改善もサポート
✅果物(特にバナナ)
間食用。低脂質で手軽にエネルギー補給
「筋トレ×食事」でようやくガリガリ体型に変化が出てきました。
なお、逆にスナック菓子に代表される加工食品はなるべく避けましょう。
加工食品には腸内環境を乱す添加物を多く含んでいます。
腸内環境が乱れると栄養の吸収効率が下がり、せっかくの食事やサプリメントの効果が十分に得られなくなることもあります。
できるだけ控えるようにしましょう。
成果を客観視する習慣
体作りを始めると「全然変わってないんじゃないか」と不安になる瞬間が必ずあります。私も最初はそうでした。
そこで私が取り入れたのは、体重測定を月1回、朝起きてすぐに行う という習慣です。
毎日測ると一喜一憂して疲れてしまうので、月1回がちょうどいいと感じました。
体重の数字だけでなく、
「服が少しきつくなった」
「鏡に映る姿が前よりたくましくなった」
という小さな変化を励みに続けることができました。
結び
私にとって筋トレと食事改善の成果は、体重が増えただけではありません。
何より大きかったのは「自分も変われる」という実感でした。
また、筋トレ中に姿勢や呼吸に集中する時間は、マインドフルネスに似た効果があり、うつ病の症状を和らげる助けにもなりました。
もしあなたが
「うつ病で自分に自信が持てない」
と感じているなら、まずはスクワット5回からでも始めてみてください。
ガリガリ体型は変えられる。うつ病があっても、小さな一歩から確実に前に進めます。
このブログのうつ病の人向け記事では、他にもうつ病の人に役立つ記事を発信していますので、ぜひご覧下さい。
