「本を読みたいな」と思っても、疲れていたり、長い本だと気が重くなってしまうことってありませんか?
特に忙しい日々が続いていると、読みかけの本を途中で置いたまま、気づけば数週間…なんてことも。
そんなときにおすすめなのが、10分以内で読める短編集です。
紹介する本は電子版に対応している、もしくは多くの図書館で入手しやすいもの。
スキマ時間や寝る前のちょっとした時間に、物語が心にそっと灯りをともしてくれる
──そんな読書体験を提案します。
- 『5分後に意外な結末』シリーズ|5分でスリルと余韻、両方が味わえる
- 1話10分文庫シリーズ(一般社団法人日本児童文芸家協会 編)
- 1日10分シリーズ(双葉社)
- 《特別紹介》短編集を語るなら、この人を外すわけにはいきません
- 探す時に便利な比較表
- おわりに|スキマ時間で読める物語が、心に残ることもある
『5分後に意外な結末』シリーズ|5分でスリルと余韻、両方が味わえる
学研が刊行する人気短編集『5分後に意外な結末』シリーズは、その名の通り「5分程度で読める」×「ラストに驚きがある」という、まさに現代人のための読書シリーズ。
1話ごとのボリュームは少なめながら、緻密に練られた構成とオチの巧みさが特徴です。
ジャンルはホラー、ファンタジー、青春、感動系など多岐にわたり、一冊の中でさまざまな味わいを楽しめるのが魅力。
「最後の1行でゾクッとする話」
「予想を超えるどんでん返し」
など、読後の満足感は長編にも引けをとりません。
非常に多くの巻が刊行されており、どれから読んでもOK。
都道府県立図書館や大型書店に在庫があることが多いです。
またkindle unlimitedでは無印版3冊、ベスト・セレクション版5冊、悩み部1冊の合計9冊が読み放題対象。
学研の公式サイトでは、各巻の冒頭1話を無料試し読みできます。
ちょっとした時間で、“短くても深く残る”読書体験が叶います。
1話10分文庫シリーズ(一般社団法人日本児童文芸家協会 編)
「1話10分文庫シリーズ」は、その名の通り“10分ほどで読める1話完結”の短編が集まった作品集。
編集は、長年児童文学に携わってきた一般社団法人日本児童文芸家協会。
信頼できる作家陣によって丁寧に書かれた物語がそろっており、大人が読んでもしっかりと心に残る内容になっています。
このシリーズの最大の特徴は、ジャンル別に分かれていること。
たとえば「感動」「ミステリー」「笑える話」など、読みたい気分に合わせて巻を選ぶことができ、5分後シリーズよりも自分の好みに合ったものを集中的に読むことができます。
また、同じ団体の作品として「謎解きホームルーム」シリーズも人気。
こちらはライトな謎解きがテーマですが、日常に潜む違和感や心の揺れを扱う物語が多く、読みごたえがあります。
図書館では東京都内を中心に比較的多く所蔵されており、大型書店でも取り扱いがあります。
紙書籍は単行本サイズですが、電子版も有料で配信されているため、Kindleユーザーにもおすすめ。
通勤・通学中にじっくり1話ずつ読みたい方にはぴったりのシリーズです。
1日10分シリーズ(双葉社)
「1日10分シリーズ」は、NHK WORLD-JAPANのラジオ番組で取り上げられた短編小説をまとめた書籍で、世界17言語に翻訳・朗読された作品の中から選りすぐりを収録したものです。
扱われる作品は、国内の人気作家による書き下ろしや短編の再編集が中心。
いずれも“質の高い短編小説”を1日1話、10分ほどで読めるように編集されています。
このシリーズの魅力は、「短くても文学性が高く、心に残る」という点。
海外読者向けに翻訳されていることもあり、物語はどれも分かりやすく、かつ深いテーマ性を持っています。
大人が読んでも決して物足りなさはなく、むしろ「短時間でこんなに満たされるなんて」と感じるような作品ばかりです。
ほとんどの図書館で在庫されているうえ有料ながらも電子版にも対応しているため、手に取りやすいのもポイント。
文庫サイズで持ち運びやすいため、毎日少しずつ本を読みたい人、本格的な文学作品に気軽に触れてみたい人には、まさにぴったりの1冊です。
《特別紹介》短編集を語るなら、この人を外すわけにはいきません
ここまでご紹介してきた3冊は、どれも「10分で疲れた心をそっと癒してくれる短編集」として、自信をもっておすすめできるものばかりです。
でも実は――
短編集を語るうえで、ショートショートの神様と称されるこの方に言及しないわけにはいきません。
それが、星新一さんです。
古いものであれば50年以上前のものもありますが、そのどれもが驚くほど新鮮で、現代の読者にも刺さります。
どの作品も5分程度で読めるほどの長さながら、SF、風刺、ユーモア、人間ドラマなどジャンルは多彩。
1話1話の完成度が非常に高く、読むたびに「短いって、すごい」と感じさせてくれる名品ばかりです。
特におすすめなのは、代表作とも言える『ボッコちゃん』。
奇抜でありながら読みやすく、予想外の結末に思わずニヤリとさせられるものも多数収録されています。
文庫版もあり、ほとんどの図書館で所蔵され、 有料ですが電子版もあります。
本記事ではあえて他の3冊とは分けて紹介しましたが、それは「おまけ」ではなく、ジャンルを超えた“定番”としての敬意を込めた、特別枠としてのご紹介です。
忙しい日々の中でも、“読む喜び”を確実に届けてくれる一冊です。
探す時に便利な比較表
どれを読もうか迷った方のために、以下に入手しやすさ・電子書籍対応状況のまとめ表をご用意しました。
気になる本が見つかったら、ぜひチェックしてみてください。
表1:在庫状況まとめ(図書館・書店)
作品名 | 図書館 | 書店 | 文庫 |
---|---|---|---|
5分後に 意外な結末 |
〇 都内 図書館 に多め |
〇 大型 書店 |
× |
1話10分文庫 |
〇 都内 図書館 に多め |
〇 大型 書店 |
× |
1日10分 |
◎ ほぼ 全て |
〇 大型 書店 |
〇 |
ボッコちゃん |
◎ ほぼ 全て |
〇 大型 書店 |
〇 |
表2:電子版対応状況
※表内の「サイト」をタップすると各サイトへ飛びます
作品名 |
対象巻数 |
公式HP 試し読み |
---|---|---|
5分後に 意外な結末 |
unlimited 9冊 |
◎ 最初の 1話無料 |
1話10分文庫 |
有料 |
× |
1日10分 |
有料 |
× |
ボッコちゃん |
有料 |
× |
おわりに|スキマ時間で読める物語が、心に残ることもある
忙しい人、疲れている人、長い物語に苦手意識がある人へ。
ほんの数ページでも、言葉の力は時に大きな癒しになります。
「全部読まなきゃ」と構えず、気になった1話だけでもOK。
スマホの通知をひとつ閉じるように、静かな時間をほんの少し、物語にあずけてみませんか。
きっとそれが、心をやわらかくするきっかけになるはずです。
本ブログの本の紹介カテゴリーでは、ほかにもうつ病で現役図書館員による筆者独自の本のレビューを発信していますので、ぜひご覧ください!
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